ベーシックインカム(BI)を広めていくための指針

本ページは、日本でベーシックインカム(BI)を広めていくための指針です。

ベーシックインカムを広めていく指針

現代は競争過剰である

現代社会は競争が過剰になりすぎています。本来、競争は経済を活性化し、技術革新を促す側面もありますが、過度な競争は社会に悪影響を及ぼします。特に、日本では「勝ち組」「負け組」といった格差が強調され、個人(人間)の価値経済的な成功だけで判断されてしまう傾向が強まっています。

企業の短期利益至上主義

過剰な競争により、企業は短期的な利益を追い求めることを強いられ、長期的な視点を欠く経営が一般的になっています。株主資本主義(株主至上主義)のもとで、企業は短期間での利益拡大を求められ、従業員の働きやすさや社会全体の持続可能性よりも、目先の収益を優先する風潮が強い。

ブラック労働

企業の利益を最大化するために、過酷な労働環境が放置されがちです。長時間労働やサービス残業、精神的・肉体的ストレスの増加など、働く人々の生活を犠牲にするような労働環境が常態化しているのが現状です。労働者が疲弊し、健康を害しても、社会全体がそれを「自己責任」として処理する構造は問題視されるべきです。

低賃金での過当競争

市場の競争が激化することで、労働コストを削減するために賃金が抑えられています。特に非正規雇用の増加により、多くの人が不安定な収入に甘んじなければならず、生活の安定を確保するのが困難になっています。このような状況では、労働者の意欲も低下し、生産性の向上も望めません。

競争過剰社会では経済的競争に向かない個性が軽視されがちになる

すべての人が経済的競争に適応できるわけではありません。むしろ、多様な個性を持つ人々がそれぞれの特性を生かせる社会のほうが健全です。しかし、競争が過剰になると、経済的競争に向かない個性がないがしろにされ、それによって生きづらさを抱える人が増えてしまいます。

昨今、ひんぱんに議論される「少子化・未婚化」の問題も、基本的には、経済的競争力のみが過剰に評価され、それ以外の個人の魅力が軽視されすぎていることに生じている面が大きいのです。

ベーシックインカムはゼロヒャクで競争を否定するものではない

ベーシックインカムは、競争そのものを否定する制度ではありません。「ベーシックインカムが導入されたら誰も働かなくなる」といった極端な意見もありますが、それは誤解です。ベーシックインカムはあくまで生活の基盤を保証し、過剰な競争から人々を解放するための仕組みです。

大事なのは競争と協調のバランスである

社会に競争が必要なのは確かですが、それが過剰になると負の側面が大きくなります。重要なのは、競争と協調のバランスを取ることです。

過剰な競争を是正し協調の余地を広げるためにベーシックインカムが有用である

ベーシックインカムは、競争と協調のバランスを取り戻し、競争に疲弊した人や企業が再起のための力を蓄えることを可能にします。また、経済的競争に参加しないことを選ぶ個人がその適性に応じた形で社会に貢献する選択肢をもたらす手段の一つです。

ベーシックインカムの導入により、人々は生活の不安から解放され、自分の能力や興味に基づいた活動を行いやすくなります。それは、社会全体の創造性や多様性を促進し、協調を生み出す原動力となります。

稼いで華やかな生活をしたい人は稼げばよい(今までと変わらない)

ベーシックインカムが導入されても、高収入を得たい人が働く意欲を失うわけではありません。むしろ、生活の不安から解放されることで、よりリスクを取った挑戦がしやすくなり、新たなビジネスや技術革新の可能性が広がります。

AIによる仕事の代替はむしろBI導入議論の好機である

AIの発展により、多くの仕事が自動化される未来が予測されています。これは、労働者の役割が変化することを意味します。ベーシックインカムを導入することで、AIによる仕事の代替が進んでも、人々が経済的に困窮せず、新たな価値創造に取り組む余裕が生まれます。

AIによる仕事代替が進んだ場合、現行のビジネスも持続できない

ベーシックインカムを導入せずAIによる仕事代替が進んだ場合、消費が激減し現行のビジネスも持続できないことを資本家は理解する必要があります。

AIが労働者から仕事を奪い続け、ベーシックインカムも導入されないのであれば、多くの人が収入を失い、消費能力を失います。それは企業の顧客が減り、資本家自身も利益を得られなくなるということです。ベーシックインカムは、単に社会福祉の観点だけでなく、経済の持続性という視点からも必要な制度なのです。

国民の意思を政治に反映させることでBIは実現可能である

日本は国民主権の国であり、政策は最終的に国民の意思で決まります。ベーシックインカムを実現するかどうかは、国民がどれだけそれを求めるかにかかっています。したがい、国民主権の国に生きる私たちが一人ひとりが「ベーシックインカム、来るかなぁ」という受け身の態度を持つことは、正しいとはいえません。ベーシックインカムの導入は決して不可能なものではなく、私たちが政治への働きかけや世論の形成を行うことにより十分に可能なことなのです。

ベーシックインカムの必要性を学べる動画

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