「公的年金(障害年金、老齢年金など)とか、生活保護費は差し押さえることができない」
これって、ご存じの方も多いと思います。もちろんこれは事実です。
これらを差し押さえの対象としてはいけないことは、以下の法律にて定められています。
公的年金や生活保護費の差し押さえを禁ずる法律
国民年金の差し押さえの禁止
(受給権の保護)
第二十四条給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。
ただし、老齢基礎年金又は付加年金を受ける権利を国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押える場合は、この限りでない。
国民年金法
厚生年金の差し押さえの禁止
第四十一条 保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。ただし、老齢厚生年金を受ける権利を国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押える場合は、この限りでない。
厚生年金保険法
生活保護費の差し押さえの禁止
(差押禁止)
第五十八条被保護者は、既に給与を受けた保護金品及び進学・就職準備給付金又はこれらを受ける権利を差し押さえられることがない。
生活保護法
ただし、差し押さえが禁じられているのは「受給する権利」である点に注意
さて本題ですが、結論からいうと、あなたの銀行口座にひとたび入金されたお金は差し押さえることができます。これは日本の法律上、年金や生活保護費が受給者の口座に振り込まれると、それは「受給権」ではなく「現金預金」として取り扱われるからです。
そのため、債権者が差押命令を裁判所から得た場合、銀行預金として差押えが可能となるわけです。
裁判例でも、銀行口座に振り込まれた年金や生活保護費が差押え可能とされたケースが確認されています。例えば、債権者が「振込後の預金」を差し押さえた場合、受給者がそれを年金や生活保護費と証明する責任が生じることがあります。
公的年金や生活保護費に頼って生きている人がお金のトラブルに巻き込まれた場合
まとめですが、公的年金や生活保護費に頼って生きている人が、お金のトラブルに巻き込まれて、資産の差し押さえの危機にある場合は、銀行にお金を入れてはいけないということです。
公的年金を現金で受け取る
公的年金は郵便局で現金受取にできます。お近くの年金事務所で相談してください。ただ、年金は基本的に銀行への振込を基本として運営されているので、窓口で渋られたり理由を尋ねられる場合もあります。その場合は率直に「お金のトラブルに巻き込まれており、差し押さえのリスクがあるので」と説明してみましょう。
生活保護費を現金で受け取る
生活保護日も、役所の窓口(福祉事務所)で毎月、現金で受け取るようにすることができます。福祉事務所に相談してください。
以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。